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Breakfast Food Life Trend

ミートフリーマンデーとは?世界の食料危機と環境破壊を救う?

「ミートフリーマンデー(Meat Free Monday)」とは元Beatlesのメンバーであるポール・マッカートニーが立ち上げた運動で、「月曜日は肉食を食べないようにしよう!」というキャンペーンです。

日本ではまだ馴染みがありませんが、近年のSDGs課題(参照:SDGsとは?目的とその背景、CSRとの違い?)に含まれている地球温暖化や環境破壊にも関わるところでもあるため、世界では注目され、取り組みを始めている国があります

目次
  1. ミートフリーマンデーの背景
  2. 世界の食料事情
  3. 世界の取り組み
  4. 日本の取り組み
  5. まとめ

ミートフリーマンデーの背景

月曜日を肉を食べない日にする「ミートフリーマンデー」とは、2009年にポール・マッカートニーらが立ち上げた非営利のキャンペーンです。

きっかけは、2006年に国連が発表した「畜産動物が空気中のメタンガスを発生させる一番大きな原因である」というレポートです。 肉や乳製品を生産する際は、畜産動物を育て輸送する過程で野菜よりもより多くのエネルギーや水が必要になります。その結果、多くの温室効果ガスを排出し地球温暖化の原因の一つになっていると言われています。

一方で、だからといって明日からヴィーガンになり肉や乳製品を一切食べない!とするのは、多くの人にとってかなり非現実的な話です。 そのため、体にも環境にもよい食生活(お肉を食べない生活)を週に1回だけするという「フレキシタリアン(時々ベリタリアン)」になる「ミートフリーマンデー」のアイデアが生まれました

では、週に1度だけ肉を食べずに菜食となる「ミートフリーマンデー」を実施することは具体的にどのように地球環境保護につながるのでしょうか?


世界の食糧事情(お肉の消費量を減らす理由)

まず、18世紀、産業革命を発端に世界的に人口が急増し始めました。さらに今後も人口が増加し続け、2000年から2050年の50年間で人口は約1.6倍に増加すると言われています。

参照:wikipedia

十分な量の食料を供給するためには、人口増加に合わせて食糧生産の活性化が必要になりました。 そのため、今までにも緑の革命(1940〜60年代に行われた穀物の大量生産を目的とする農業革命の一つ)や白い革命(1960〜70年代にインドで行われた生乳など大量生産する酪農振興策)など様々な施策が行われていましたが、加速する人口増加と2006年に国連が発表した「畜産物による環境への悪影響」により、特に肉や乳製品の大量生産が見直され始めました。

例えば、日本の飼育方法を使用した場合、牛肉1kg生産するためには穀物11kgが必要になります。また他の肉や卵においても

牛肉1kg:穀物11kg
豚肉1kg穀物7kg
鶏肉や卵1kg穀物4kg

が必要と言われており、これはつまり、人間であれば11kgの穀物で11人分の食事を1人あたり1kgの食料であったのに対し、牛肉生産用穀物をに使用することで1人分のみの食料となってしまうということです。

そのため、「人口増加にあわせて肉製品の消費量が増えると、さらに畜産物を育てるための穀物の生産量もさらに増加する。」という研究結果から近年では大豆を使用した代替肉や今回紹介する「ミートフリーマンデー」のように、肉製品の消費量を減らす様々な取り組みが生まれました。


世界の取り組み

日本ではまだミートフリーマンデーの取り組みはあまり知られていませんが、2014年の時点ですでに世界36ヶ国に広がっています。その取り組みは週に1回肉の消費量を抑えるだけではなく、学校やレストランなどで菜食による環境問題緩和について学ぶワークショップを行うなど様々です。

取り組み例
ドイツ小学校:菜食による健康と栄養を教える授業や、食品を選ぶことでの環境保護活動、ヴィーガン料理の体験など。
イギリス英国土壌協会が教育省に対し、「植物由来のタンパク質や食材のみを使用したメニューを提供するミートフリーマンデーをすべての公立学校に義務づける」ことを提言。
アメリカ学校:カリフォルニア州の学校給食で植物由来製品の割合を増やす法整備を実施。
食品:代替肉「ビヨンド・ミート」や「インポッシブル・ミート」を生産し、マクドナルドやKFCなどの大手チェーン店と提携。

特にベジタリアンがすでに多い国では、行政や教育現場だけではなく、個人の環境意識が日常生活でもよく浸透しています。


日本の取り組み

日本では2017年から内閣府、そして2018年から東京都庁もミートフリーマンデーに貢献を始め、2017年3⽉より内閣府食堂や都庁食堂においても、毎週金曜日に野菜のみを使用した定食が提供されています。

さらに内閣府食堂に提供をしている株式会社ニッコクトラストが「ミートフリーマンデー・オールジャパン(MFMAJ)」によるサポートを受けて、さらに2017年6⽉より全国の社員⾷堂でもミートフリーマンデーキャンペーンを導⼊しました。

また、大手企業の取り組みとしては、「オタフクソース」が有機野菜のみを使用したソースを新しく発売し、レストランでもベジタリアンレストランやベジタリアンメニューを取り入れたレストラン、食品店が少しずつ増えています。

特に料理番組でも野菜くずを使用しただし「ベジブロス」や皮ごと使用する料理などを耳にする機会も増え、日常生活の中で少しずつ意識し取り入れられるようなアイデアも増えています。


まとめ

今回紹介した「ミートフリーマンデー」はより多くの人に未来の環境について知ってもらい、より気軽に取り組んでもらえるような活動です。

そして、特に日本では「Food Loss」支援で節約+将来の食料危機支援でも説明したように、本来食べられる食料約646万トンをを廃棄している一方、食の西洋化が進み、さらに食料自給率が低いため海外から大量に輸入しているという現状です。

必要な分だけを購入し消費をするフードロス支援とさらに、購入時にいつもより少し意識して、または時々畜産製品よりも野菜を購入することで未来の環境保護に貢献できます。