2019年からコロナの世界的拡大をきっかけに世界中の多くの企業がオンラインサービスの拡充や、日常の業務のオンライン化を行いました。
そのため、年々増加していた携帯電話の普及率はこの数年で大幅に増加しました。今回はその中でも特に2050年には世界人口の4分の1をしめると推測されているアフリカの携帯普及・インターネット普及率について紹介します。
特に若者の人口が増えているということから、新たな市場として国内外から注目されており、オンラインビジネスやアプリの導入を挑戦する企業が多いことから、近い将来、アフリカ経済の大幅な飛躍的発展(リープフロッグ)が起きると言われてます。
世界・アフリカの携帯電話普及率
近年では、様々な会社がスマートフォンを製作し、街中でもスマートフォンを持っている人を見かけることがほとんどではないでしょうか? 実際に、世界でのスマートフォンの普及率は2016年〜2021年の5年間で約1.5倍、総人口の約49%とその数が年々増加しています。そして2023年には、スマートフォンを含む全ての携帯電話機器を使用する人口も同様に51億人から73億人に上ると言われています。
国別でみると、現状は先進国上位10ヵ国のイギリス, UAE, アメリカなどでも、まだ約27%の人口がスマートフォン以外の携帯電話を所有または何も所有していない人がいます。逆に、発展途上国のインドやナイジェリアなどでは約25%の人口のみがスマートフォンを所有しています。
しかし、これは発展途上国の場合は所有していない人口が多いというわけではなく、例えばインドでは25%がスマートフォンを所有する一方、残りの40%はその他の携帯電話機器を所有し、何も所有しない人は35%。ナイジェリアでも同様に、39%がスマートフォンを所有し、残りの44%はその他の携帯電話機器を所有、17%が何も所有しない人とスマートフォン以外の携帯電話機器を所有する人口が多いのが特徴です。
そのため、アフリカのスマートフォンを含む携帯電話機器の普及率は、サブサハラアフリカ地域だけでも2018年2,000万人だった普及人口が2025年には6億人へと急速に増加する見込みです。これに合わせてインターネット接続状況も23%以上の利用者が4Gを使用できるように改善される見込みで非常に大きな可能性のある市場が育つことが予測されます。
アフリカのインターネット普及率と海外企業の市場参入
アフリカ諸国でスマートフォンや携帯電話機器の普及が増加する1つ目の理由は、政府がインターネットのオンフラ整備を都市部だけではなく郊外や農村部にも投資を行っていることです。
例えば、2017年、ジンバブエ政府は2億5,000万ドルを投資し、特にインターネット環境の整備されていない農村部に600塔以上の電波塔を建てました。
しかし、特にアフリカのように規模の大きな市場では、地域ごとのモバイル環境改善を実現するために技術面の改善だけではなく、莫大な費用をかける必要があります。さらに一貫性のあるプロジェクトを計画し、ステークホルダーと協力しあい、諦めずに続けることが大切ですです。
そして2つ目の理由は、従来のパソコンと違い、携帯電話はインターネット使用料金が比較的に安く、かつインターネット接続のための工事費用が不要であるためです。例えば、ナイジェリアでは携帯電話デバイスからのインターネット使用が74%、うちオンラインショッピングは58%と多くの割合が携帯電話からインターネットを使用しています。
携帯電話が普及し、さらにインターネット環境も改善さたことで、多くの企業が新しいサービスを携帯アプリ内で使用できるようにするなどしており、外資企業の場合だと例えば、Facebookはアフリカ21ヵ国でのFacebookの基本的な機能の使用を無料で提供する対応をしています。
一方、無料サービスではないにも関わらず、アフリカで非常に多く使用されているサービスを生み出したのがSafaricomのモバイルマネーサービス(オンライン送金サービス)MPESAです。近年の携帯電話の普及率増加や農村部のインターネット環境改善だけではなく、さらにアフリカに住むユーザーの目線(日常)にも合わせた的確サービスを始めたことで、多くのユーザーがそのアカウントを有料にも関わらず維持しており、さらに個人だけではなく、国内外の企業が社員の給与支払いにMPESAのモバイルマネーサービスを使用しています。
まとめ
まだ未知数の可能性があるアフリカは新たな市場として非常に注目されていますが、国内外の多くの企業がすでに投資をし、その市場開拓や参入を始めています。
今はコロナ渦で現地調査をすることが難しいですが、一方でアフリカ市場は年々成長を続けており、そして多くの企業が様々な挑戦を続けています。 そのため、アフリカ市場への参入を検討している方は、現地調査代理会社に依頼をするなど、「今だからできること」を少しでも早く行うことが重要です。