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エシカルファッションは財布と環境に優しい?!

エシカルファッションとは?背景・基準と目的」で紹介したように、とくに近年はSDGsが注目されているため、環境や社会の視点から多くのアパレル企業がエシカルファッションに注目し取り組みを始めました。

エシカルファッションは環境や働く人に優しいだけではなく、実はお財布にも優しいファッションです。今回はエシカルファッションに取り組むブランドやアパレル企業を紹介します。

目次
  1. エシカルファッションで地球にも財布にも優しいお買い物
  2. エシカルファッションに取り組む企業
  3. エシカルファッショングッズ
  4. まとめ

エシカルファッションで地球にも財布にも優しいお買い物

エシカルファッションは環境に負荷の少ない材料や製造方法で作られ、そして製作や運搬の過程でも働く人の健康や生活にも優しい製品のことです。 ファストファッションのような大量生産の商品と異なり、一つ一つ丁寧に作られている製品が多く比較的に値段があがりますが、一方で長く使える質の高い商品が多いです。 そのため、ファストファッションの安い簡素な商品をたくさん買うのと、エシカルファッションの丁寧でかつ唯一無二の少し高い商品を一つ大事に使うのとでは結果的に同じ費用またはお得になることもあります

エシカルファッションでの節約6ポイント

①「安い物をたくさん」から「いいものだけを必要最低限」購入。
②手持ちの服を大切に、長く着回す。
③リサイクルする、またはヴィンテージ品を購入。
④リメイク。
⑤一時的に必要な冠婚葬祭の衣装やトレンドの服はレンタル。
⑥海外からの輸送によるコストを削減できる日本製を購入。


エシカルファッションに取り組む企業

エシカルファッションを全ての商品で取り組む会社もあれば、GUCCI、Vivian Westwoodなどのように、エシカルコレクションとして一部の商品で取り組む場合もあります。エシカルファッションを理解し、取り組む企業やブランドは年々増えています。

  • GUCCI
  • Patagonia
  • NIKE
  • Stella McCartney
  • LEVI’S
  • Vivian Westwood
  • FAST RETAILING (H&M、ZARA、Benetton)
  • しまむら
  • 無印良品
  • People Tree
  • シサム工房
  • MUD jeans
  • BEEKEEPER PARADE

ファッション業界では実はかなり前からエシカルファッションは注目されており、例えば2004年からは「エシカルファッションショー」がパリコレクションの後に定期開催されています。2018年からはさらに「グリーンカーペット・ファッションアワード・イタリア」が「ミラノ・ファッション・ウィーク」期間中に開催され、2019年には12の賞がValentino、Stella McCartneyなどに贈られました。


エシカルファッショングッズ

エシカルファッションは専用の認証ラベルはありませんが、「エシカルファッションとは?背景・基準と目的」で紹介した様々な視点で環境や労働環境に優しいことを認証しているラベルを参照に商品を選んでみても良いと思います。

また、例えば、以下のブランドや会社はエシカルファッション商品に取り組んでおり、様々なエシカルファッション製品があります。


GUCCI (Off The Grid collection)

Gucciは生産工程の中で生み出される廃棄物で新たな商品(エコニールやオーガニック、バイオベース素材などのサステナブルな素材のみを使用)を生み出し、同時に廃棄物の量を減らすサイクルである《Off The Grid》のユニセックスコレクションを始めました。同コレクションではパッケージまでFSC認証されています。また、世界各地の森林保全と生物多様性の確保のために活動するREDD+プロジェクトに投資するなど、カーボンオフセットの取り組みも行っています。


UpcycleLino

UpcycleLinoの商品は上質なリネンやコットン生地の裁断残とオーガニックのバージン綿を加えて糸をつむぎ製作されています。


People Tree

オーガニックコットンを使用した製品だけではなく、民族衣装のサリーをアップサイクルした製品など一点ものの商品もあります。さらにメンズやパジャマ、下着などの製品など種類、デザイン、カラーが豊富です。


Maito Design Works

奈良の高い技術を持つ靴下工場で、原綿から草木染めで染め上げ紡いだオリジナルの綿糸で編み上げたレギンスとレッグウォーマーです。締め付けやチクチク感がなく肌触りも良いため、とても良い履き心地です。


Liv:ra

シルクやオーガニックコットンなど、こだわりの着心地の天然素材を2000年前から受け継がれている京都の新万葉染めという草木染め技術を使用し、ひとつひとつ丁寧に染め上げたランジェリーです。定着剤には体にやさしい食べられるみょうばんや銅を使用しており、色落ちをしにくく、染料は100%天然の無農薬の植物で、前処理や後処理にも科学原料不使用です。


SHOKAY

ヤクのアゴやお腹などの柔らかい産毛を使用した製品で高い保温性と通気性があります。さらに、1年を通して着心地がよくなめらかな肌触りが特徴で、ウールアレルギーのある方でも安心して使えます。 また、リサイクルコットンデニムは、紡績工場や縫製工場で廃棄されていた綿の裁断くずや落ちわたを集め、破砕して作った糸で作られたデニムで、従来のコットン生産に使用される水やC02の排出量を減らし、環境に優しいのが特徴です。


Re:nne

化学物質不使用のサボテン由来のヴィーガンレザーで作られている財布です。レザーに加工する際も、水の消費量を最小限に抑えることができ、さらに最大55%が生分解性素材で作られているため、プラスチックのようにゴミとして残存しない地球に優しい製品です。耐久性や通気性、抗菌性などもあり、機能性も抜群なので世界でも注目されている最先端レザーです。


BEEKEAPER PARADE

オーストラリアで販売されていますが、主にカンボジアで過剰生産されて余ったほぼ新品の生地を仕入れています。中には世界的に有名なブランドの生地もあり、それらをアップサイクルしています。商品は主にハンドバッグやバックパック、ポーチからクッションカバーなどあり、これらの商品は廃棄物を再利用するだけではなく、その売り上げの一部がカンボジアの子供達の教育に役立てられます。


まとめ

エシカルファッションのように一つ一つ丁寧に作られた製品は一つ一つに味があり、大量生産された商品と違い「唯一無二」であることがあります。そのため、ファッション業界でも身につけるだけの一時的な流行りのファッションではなく、長く使えて愛される商品(ヴィンテージ商品)は常に注目されています。

ファッションの国で有名なフランスではフランス​人は10着しか服を持たない」と例えられるように、お洒落な人は着まわしも上手です。他の人と同じようなトレンドに流された服を着るのではなく、エシカルファッションを機に自分だけのファッションを見つけることができれば結果的に環境、社会そして財布にも優しく楽しむことができます。

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エシカルファッションとは?背景・基準と目的

「エシカルファッション」は、まだ日本ではあまり認知されていませんが、環境を配慮したエシカルな消費によってファッションを楽しむことです。日本でも古来の伝統技法で環境に配慮した素材を使用する服やブランドがありますが、ファッション業界全体がエシカルファッションを重視するようになったのは最近のことで、特にSDGsをきっかけにより多くのアパレルブランドが取り組むようになりました。

スローファッションやサステナブルファッションとも言われるエシカルファッションは近年のファッション業界での概念を変えた大きな要因でもあります。

目次
  1. エシカルファッションとは?背景と目的
  2. 日本の課題「衣服ロス」
  3. エシカルファッションの10の基準(Ethical Fashion ForumとEthical Fashion Japan)
  4. エシカルファッション選びの参考になる認証マーク
  5. まとめ

エシカルファッションとは?背景と目的

エシカルファッションとは「アパレル製品を購入する際に倫理的・道徳的な側面も理解して購入すること。」です。 例えば、アパレル製品を製造する過程で地球環境や動物の権利をまもり、労働者に生活するために十分な賃金を保障、さらに私たち自身も購入した商品を長く大切に着続けるなど、「人と地球にやさしいファッション」であるということです。

背景
これまで、アパレル製品雑貨はできるだけ低コストで大量生産することによる安い価格での販売が主流でした。特に、企業はより低コスト低価格を実現するため、より安い労働力を求め、中国、ベトナム、バングラデシュ、インドなどで大量生産を行うようになりました。

しかし2013年4月、バングラデッシュの首都ダッカから北西約20キロの街・サパールで縫製工場が含まれていた商業施設「ラナ・プラザ」が崩落し、死者1100名以上、負傷者2500人以上、行方不明者は500名以上にもなりました。

この崩落事故で露わになったのはラナ・プラザの建物のずさんな安全管理と、27もの有名なアパレルブランドの低価格製品を実現するために働いていた人々の低賃金(当時の時給で約13円)です。さらに、例えばコットン素材の原料となる綿花の栽培では、殺虫剤は世界の農業全体の15.7%、落葉剤・除草剤などの農薬全体を含めると6.8%もの量を使用しており、環境の悪化だけではなく、綿花栽培に関わる人々の健康にも害を及ぼします。

この事故の前からエシカルファッションをテーマとした
・2003年:ITCがEthical Fashion Initiativeプロジェクト発足
・2004年:エシカルファッションショー開催(フランス)
・2006年:Ethical Fashion Forum設立(イギリス)
などの活動が主にヨーロッパを中心に行われていましたが、この事故をきっかけに徐々にファッション起業家やアパレル会社の経営者も「人と環境に配慮したファッションビジネス」を行うようになりました。

目的
そのため、エシカルファッションでは、より良い労働環境と環境のためにも農薬や殺虫剤の使用しない素材を使用しており、結果的に以前のような低価格の実現はかなり困難になりました。

しかしそれでも、「ファッションを楽しむ人にはその価値を理解した上でエシカルファッションを選んでもらうこと」を大切にしています。

例えば、世界貿易機関と国際連盟の合同機関である国際貿易センターが発足したEthical Fashion Initiativeプロジェクトでは「Not Charity, Just Work」をスローガンにハイチ、アフリカ、中央アジアの恵まれない地域の人々が正当な賃金が受け取れる雇用創出と貧困の撲滅を目指しています。


日本の課題「衣服ロス」

安価商品の大量生産であるファスト・ファッションの流行は同時に「衣服ロス(大量廃棄)」の問題も生み出しました。

衣服ロス(ファッションロス、衣料廃棄ロス)とは、衣服生産者の納期の遅れ、注文キャンセル、次シーズンに着回しが難しい一時的な流行性のある衣類などの様々な理由によって、まだ使用することができるにも関わらず廃棄される衣服のことです。

毎年世界中で廃棄される繊維の量は9200万トン、日本国内では2020年の1年間のみでも家庭から出た使用済や未使用でも不要になった衣服は約78万7000トン、うち65%の51万トンはリサイクルや古着として再利用されないまま廃棄されています

ファスト・ファッションは安い価格て大量に生産をすることができるため、誰でも手軽にファッションを楽しむことができました。しかし、生産の家庭で人や環境に悪いだけではなく、生産のあとにもリサイクルができない衣類や大量廃棄になっているという課題はエシカルファッションとして取り組むべき大きな課題の一つでもあります。


エシカルファッションの10の基準(Ethical Fashion ForumとEthical Fashion Japan)

Ethical Fashion Forumが示しているエシカルファッションの10の基準は以下の通りです。

  1. Countering fast, cheap fashion and damaging patterns of fashion consumption
    (安価で使い捨て型の「ファストファッション」に反対する)
  2. Defending fair wages, working conditions and workers’ rights
    (生産する労働者の賃金・権利・労働環境を守る)
  3. Supporting sustainable livelihoods
    (持続可能な生活を支える)
  4. Addressing toxic pesticide and chemical use
    (有毒農薬や化学物質の使用問題に取り組む)
  5. Using and / or developing eco- friendly fabrics and components(環境にやさしい素材を使用、または開発する)
  6. Minimising water use(水の使用量を最小限にする)
  7. Recycling and addressing energy efficiency and waste
    (リサイクルやエネルギー問題、ゴミ問題に取り組む)
  8. Developing or promoting sustainability standards for fashion
    (ファッションの持続可能性を開発・促進する)
  9. Resources, training and/ or awareness raising initiatives
    (取り組みを報告し、解決策を広める)
  10. Animal rights(動物の権利を守る)

これらを短くまとめると、エシカルファッションとは、人・環境・社会にやさしいファッションであるといえます。

また、日本発信のエシカルファッション推進団体Ethical Fashion Japanが具体的なアクション7つを提案しています。

  1. フェアトレード(対等なパートナーシップに基づいた取引。)
  2. オーガニック(有機栽培で生産された素材を使用。)
  3. アップサイクル&リクレイム(捨てられるはずの材料や、不要な素材や在庫商品などを利用。)
  4. サステナブル・マテリアル(持続可能な素材を使用。)
  5. クラフトマンシップ(伝統的な技術を使用。)
  6. アニマルフレンドリー(動物の権利を守る。)
  7. ウェイストレス(無駄を削減。)
  8. ソーシャルプロダクツ(ソーシャルな活動と関係のある製品。)


エシカルファッション選びの参考になる認証マーク

エシカルファッションを示す専用の認証マークはありませんが、エシカルファッションの上記の10の基準に該当する認証マークを参照にすることができます。是非、次回アパレル製品を購入する際は、以下紹介する認証マークや他にもたくさんあるので、調べて参考にしてみてください。

エコマーク

エコマーク

エコマークは、環境省所管の財団法人日本環境協会によって1989年に制定されました。このマークは、生産から廃棄まで環境に負荷が少なく環境保全に役立つ商品につけられており、「ちきゅうにやさしい」という意味が込められています。

国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード認証ラベルは、製品の原料が生産されてから、輸出入、加工そして完成品するまで、国際フェアトレード機構が定めた基準が守られていることを証明するラベルです。

OCS認証

OCS認証

OCS認証(Organic Content Standard)は原料から最終製品までの全ての過程でオーガニック繊維を含む製品の生産・製造を認証し、証明するマークです。

GOTS認証

GOTS認証

オーガニックテキスタイル認証は①環境負荷の少ない製造加工でかつ原料のオーガニック繊維の含有率も一定のパーセント以上を使用、または②従来の製品加工方法でもオーガニックを一定量(例えば5% でも)を使用した商品を証明するマークです。

FSC認証

FSC認証とは、持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した「適切な森林管理」を認証し、認証を受けた森林が収穫され製品加工、流通過程を証明するマークです。

レインフォレスト・アライアンス認証

レインフォレスト・​アライアンス認証マークは、その認証製品または原料が、持続可能性の3つの柱(​社会・経済・環境)の強化につながる手法を用いて生産されたことを証明するマークです。


まとめ

ファッションは、着衣としての服から新たな価値を見出し、人の気持ち、社会を動かすようになりました。一方、大量生産の過程では必要以上の商品が環境や働く人に悪い方法で生産され、その多くが捨てられるという課題も生み出しました。

エシカルファッションは同じファッションでも「誰かのため」につながる製品です。

「エシカルファッション」という言葉で、よりアパレル企業は自社の生産過程での材料や環境への影響、働く人々のことをより意識して取り組むようになります。 そして購入する私たちもこの言葉により購入する際の新たな選択肢が一つ増えました。 

いつものお買い物でも時々エシカルファッションの商品を購入・プレゼントすることでも気軽に、そして少しずつ環境や誰かのためになります。

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SDGsで節約ができる?日本と世界の取り組み

SDGsとは?目的とその背景、CSRとの違い?」でSDGsの基本情報を紹介したように、すでに多くの企業がSDGsに取り組み始めています。

今回は私たちの身近で取り組まれているSDGsについて、そしてすぐにできて節約にもなるSDGsについても紹介します。

目次
  1. 世界の取り組み
  2. 日本政府・企業の取り組み
  3. 今すぐできるSDGsでの節約方法
  4. まとめ

世界の取り組み

2020年版 SDG Indexページ内の 「The sustainable develpment Report」によると、1位〜3位はスウェーデン、デンマーク、フィンランドと北欧の国がTOPにあり、日本は現状、アジア諸国の中では1番ですが、2018年の15位から2020年17位(79.2)に下がりましたが。最下位は変わらず162位(38.5)の中央アフリカです。

Top 10 Countries (SDGs Index Score)
1 Sweden (84.7)
2 Denmark (84.6)
3 Finland (83.8)
4 France (81.1)
5 Germany (80.8)
6 Norway (80.8)
7 Austria (80.7)
8 Czech Republic (80.6)
9 Netherlands (80.4)
10 Estonia (80.1)


国別SDGs取り組み事例

デンマーク
建築プロジェクト「UN17Village」では、建物自体をリサイクルされた廃棄物で作り、街全体が環境や社会、生物多様性などに配慮し、持続可能な生活ができるように設計されています。

さらに「UNLEASH Lab 2017」では再生可能ラップ「Reusable Smart Pallet Wrapping」があり、これは既存の再生可能ラップと異なりコストを抑え、さらに1,000回の再利用も可能であるため浸透される可能性が高いと言われています。そのため、この再生可能ラップが商品化されると、

  • プラスチック廃棄物の石油使用量:95%削減
  • プラスチック廃棄物のCO2排出量:80%削減
  • プラスチック廃棄物による環境負荷:50%削減
    をすることができると予想されています。


スウェーデン
ゴミを約100種類に簡単に分別できるシステムにより、 年間200万トンの家庭ゴミのうち99%をリサイクルやゴミ発電所の燃料に回しています。 これにより、分別した缶詰で作られた橋や、 電気と生ゴミ(バイオガス)を燃料にして走る車や電車、バスなどがあり、特にスウェーデン市内のバスは1kgの生ゴミで約2キロ走ることができます。ゴミを燃料とした発電により、 スウェーデン国内の25万世帯の電力をまかなっていますが、国内のゴミだけでは足りず、 海外からゴミを輸入するほどゴミの活用ができています。

常にTOP3に入る北欧3ヵ国がSDGsの目標に対して、上手に取り組むことができる背景としては、「国民一人一人の環境や社会を改善しようという意識の高さとそのルールがしっかり浸透しているから」と言われています。


日本政府・企業の取り組み

SDGsは誰一人取り残さず持続可能な開発を行っていくことを掲げているため、もちろんそこに企業も含まれます。また、国連事務総長のアントニオ・グテーレス氏は、『SDGsの達成(課題解決)に企業(民間セクター)は欠かせない役割を担っている』と発言しています。

日本政府の国内外の取り組み例:

取り組み内容
防災関連東日本大震災のように近年の大規模自然災害に関する経験・教訓を各国と共有する「世界防災閣僚会議 in 東北」などの活動。
保健関連国際機関等への協力の強化による感染国及び感染地域での感染の拡大防止など。さらに、日本の課題である認知症・精神保険分野や母子支援の継続的ケアなど。
人権関連海外での事例等を踏まえ、日本の企業の「ビジネスと人権」課題を改善するため、まずは日本の法制度や施策等の見直しと調査を実施。
教育関連主に家の外で働くことが困難な女性の就学・修了率の向上と社会進出を促すための「女性教育支援」、「公衆衛生・母子保健等の教育」。また、国際的な学び合いを推進する活動など。
ジェンダー関連女性と女児の権利の尊重・脆弱な状況の改善のために「女性に優しいインフラ」としてインドに女性専用車両を作成。また、発展途上国の学校内において女子トイレを整備、女性の能力発揮のための基盤整備では農業普及推進と交えて女性に教育、女性工学系教員の育成。さらに、政治、経済、公共分野への女性の参画とリーダーシップ向上のために、「女性が小規模ビジネスを行うコミュニティの活性化」や「難民女性などに対して、生計向上のための能力開発」など。


企業の取り組み事例

①味の素株式会社

味の素では、今後も味の素が社会と共存・発展するために「地球持続性」「食資源」「健康なこころとからだ」の3つに対して、特に事業を通じて貢献していく意思を表しました。

味の素が行うSDGs
1.貧困をなくす
2.飢餓をゼロに
3.すべての人に健康と福祉を
8.働きがいも経済成長も
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
11.住み続けられるまちづくりを
12.つくる責任つかう責任 
13.気候変動に具体的な対策を
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさも守ろう

など

味の素SDGsへの取り組み


②株式会社ジモティー

ジモティーは、不用品を地域で売り買いする地域密着型のクラシファイドサービスで、現在、日本のひとり親世帯の約半分(約65万世帯)が利用しているという調査結果もあります。 

このことからジモティーの行うSDGsの取り組みでは、「売ります・あげます」「中古車」カテゴリでの取引を通して地域におけるリユース・リサイクルの活動促進し、不要品を生かした地域コミュニティーの活性化、さらにひとり親家庭との関係構築などを行っています。

ジモティーが行うSDGs
1: 貧困の撲滅
11: 安心・安全に暮らせるまちづくり
12: 持続可能な消費と生産


③日本郵政株式会社

日本郵政グループは、「日本郵政グループCSR基本方針」で掲げる主要テーマである 「地域社会」「地球環境」「人」の3分野において、

  • 地方公共団体との連携強化による「郵便局のみまもりサービスの拡大」や「緑地整備による地域コミュニティの再生」さらに、「女性活躍推進(女性の役職者登用等)」、「障がい者雇用の推進」や「性の多様性(LGBT)の理解促進」に取り組んでいます。

日本郵政が行うSDGs
3.すべての人に健康と福祉を
4.質の高い教育をみんなに
8.働きがいも経済成長も
11: 安心・安全に暮らせるまちづくり
13.気候変動に具体的な対策を
15.陸の豊かさも守ろう


今すぐできるSDGsでの節約方法

SDGsとは?目的とその背景、CSRとの違い?」で説明したように、SDGには17の目標があります。その中でも特に以下の5つの目標は実は私たちの日常生活で簡単に実践でき、さらに節約にもなります。

7. エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
12. つくる責任、つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう

家でできること

食材:
・買った食材、作った料理は工夫して食べ切る。
・工夫して捨ててしまう部分を減らす、無くす。

電気、ガス、水:
・室温により冷蔵庫の温度を調整し消費電力を抑える。
・電気の消し忘れを無くす。
・シャワーの流しっぱなしにを無くす。
・水の二次利用をする。
・保温調理や同時調理でガスの使用量を減らす。
・季節や気温にあった服装をしてエアコンの使用を減らす。

その他:
・生ゴミを自家製コンポストで堆肥化し栄養物の再利用とゴミの削減。
・請求書や雑誌関連はオンラインを利用し、紙の節約と古紙の削減。

家以外でできること

買い物:
・エコバックを使用。
・賞味期限が近い商品や規格外の商品を積極的に購入し、使い切る。
・地産地消や季節の食材を積極的に購入し、 地域雇用維持と、長距離配送によるガスの排出量を削減。
・洋服などは中古品店で購入し、エコと節約。
・簡易包装の物や詰め替え商品を購入し、エコと節約。

その他:
・自転車や徒歩などによる移動で節約。
・外出時は再利用できるボトルで飲料を持参する。

このように、SDGsは私たちの暮らしに多く関わっており、そのほとんどが家の中で実践できること、かつ結果的には節約につながるものです。


まとめ

今回は世界中の組織や企業で取り組まれているSDGsの活動から、私たちの日常でもできることを紹介しました。 特に私たち一人一人ができることは節約に関係すること以外でも、携帯一つで沢山あります。

例えば、目標5の「ジェンダー平等を実現しよう」では、女性の権利についてや、目標13の「気候変動に具体的な対策を」でも気候変動について、ソーシャルメディアを使い記事や投稿のシェアをすることができます。 

SDGsは地球上の私たち一人ひとりが、共に取り組む課題です。日常生活で節約と合わせてできること、または携帯を使い、その情報を共有することでできること、小さなことでも全て大事な取り組み、一歩です。

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フェアトレードとは?日本で広がらない理由

フェアトレードとは開発途上国の原料や製品を適正価格で購入することで開発途上国の生産者や労働者に適正な賃金を与え、生活環境改善と自立を促す取引・貿易の仕組みです。

日本では、例えば成城石井、イオン、Starbucks Cofee、The Body Shopなど大手の会社でも徐々にフェアトレード商品を一部導入しています。

目次
  1. フェアトレードの歴史
  2. 日本のフェアトレード市場の現状と認知度
  3. 海外のフェアトレード市場の現状と認知度
  4. フェアトレード製品のメリット・デメリット
  5. フェアトレード商品例
  6. まとめ



フェアトレードの歴史

1947年
アメリカの国際協力NGOでボランティアをしていた女性がプエルトリコの女性たちの手工芸品を買い取り販売したことでフェアトレードの原点となったと言われています。

1960年頃
当初はボランティアとしての慈善貿易と認知されていましたが、徐々に「途上国の人たちが貧困から抜け出す為の仕組みをつくる開発貿易」として意識し取り組まれるようになりました。

1980年頃
より市場規模を拡大するため「高品質な製品で等価価値の取引をするフェアトレード」へと変化し、フェアトレード専門の団体や専門店も生まれました。

1988年頃
オランダの教会が運営するフェアトレード団体がメキシコのコーヒー生産組合で「フェアな生産・流通を保証する製品にフェアトレード・ラベルを貼る」販売の仕組みを作り、それが先進国にも広がりました。

1997年頃
ラベルの基準を統一する組織であるFLOが誕生し、その後さらにWFTO認証ラベルが定められ、フェアトレード市場が急速に拡大しました。




日本のフェアトレード市場の現状と認知度

日本国内の国際フェアトレード認証製品市場規模は2008年〜2018年で6倍以上に成長し、現在も市場拡大を続けています。

特に、近年では日本国内でもフェアトレードタウンという「市民、行政、企業、小売店、学校など街全体でフェアトレードを応援するまち」の取り組みが徐々に広がり、現在は6都市(熊本市、名古屋市、逗子市、浜松市、札幌市、いなべ市)が認定されています。

しかし、フェアトレードを行っている先進国の中では日本はフェアトレードランク(認知度や取り組みなど)がとても低いのが現状です。

ある調査では日本は
・フェアトレードの認知率:29.3%
・フェアトレード製品の購入率:12.4%
と日本ではフェアトレードを知らない人が約70%であるのに対して、先進国は認知度70-80%と日本は非常に低い結果が出ています。

さらに、日本では購入者の認知度が低い為、企業側もフェアトレード製品を取り入れたり、取り組むNGO/NPO支援への興味や関心が高くならず、まだまだ「価格競争」や「サービス競争(非価格競争)」市場に力を入れている企業が多い現状です。




先進国上位国の認知度・取り組み

カテゴリーレポート
フェアトレード認証に参加している生産者組織1599組織
(75か国)
国際フェアトレードラベル認証商品流通国150か国以上
(6,100以上の企業・組織が認証に参加)
年間販売額上位国イギリス、ドイツ、米国
フェアトレード認知度上位国イギリス、ドイツ、フランス、スイス(認知度70~80%以上)
※2020年実績参照

例えば、認知度上位国のスイスでは、1人当たりのフェアトレード商品購入金額が世界1位です。その要因は

①10歳前後の低学年に対しフェアトレードの教育を行っているため、子供から大人まで幅広く「途上国の社会問題・環境問題」を意識し関心を持つ人が多い。

②その為、様々な企業も消費者の関心を惹きつけるために「フェアトレード認証ラベルの商品」を積極的に取り入れる。


③そこで企業間の「フェアトレード商品競争」が生まれ、都市部のみならず小さな町や村でも多様なフェアトレード商品が揃えられる為、消費者にとっても「日常的に気軽に購入でき、社会貢献できる商品」として親しまれるようになっています。




フェアトレード製品のメリット・デメリット

日本では近年オーガニック製品への関心が年々高くなっていますが、フェアトレード製品もオーガニック製品と深く関連しており、さらに消費者・利用者、生産者だけではなく、環境や生態系にも優しい製品です。

例えば国際フェアトレード認証・FLOの認証環境基準には、
・食の安全(農薬や、遺伝子組換えは使わないこと)
・環境保全・保護(貴重な生態系や環境を保護すること)
などが義務付けられています。

 メリットデメリット
価格面いつもの買い物をフェアトレード商品に変えることで、同価格、または少しの増額でも気軽に途上国支援ができる。大量生産品に比べると生産数が少ないので、比較的に値段が高めになりやすい。
品質面ラベル認証の条件に含まれる基準を満たしている為、自然や環境に優しいだけでなく、使用感や品質が良い商品が多い。物によっては機械生産ではなく、一つ一つ手作りの製品がある為、品質にばらつきがある場合がある。
アクセサビリティーオンライン販売を始めている企業やNPO団体等が増え、購入しやすくなった。日本ではまだ商品の種類がまだ少なく、日頃訪れるスーパーやコンビニなどの取り扱いしているお店も少なく、手にとってみることができる機会が少ない。

ちなみに、FAIR TRADEとFAIRTRADEは異なります

FAIR TRADEは一般的な言葉でフェア(公正・公平)なトレード(貿易)という意味で「主に個人商店やNPOなどで独自に基準を設定して販売している商品」すが、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)が、認証ロゴマークと一緒に登録申請している製品にはFAIRTRADEの言葉が入ります。




フェアトレード商品例

カテゴリー 製品例
食べ物チョコレート、はちみつ、バナナ、マンゴー、スパイス、ハーブ など
飲み物コーヒー、紅茶、ワイン など
素材コットン、シルク製品 など
その他洋服、バック、貴金属製品、刺繍製品、石鹸、花 など

これ以外にも様々な商品があるので、一度欲しい商品のフェアトレード製品があるかどうか、インターネットで調べてみると新しい産地の物に出会えて面白いと思います。



まとめ

日本では、まだフェアトレード商品関心を持つ以前に知らない人が多いという課題があります。その為、例えば誰かへのプレゼントとして購入することでフェアトレードについて少しでも多くの人に知ってもらえるきっかけになりますし、または普段の買い物の1選択肢の中に時々入れてみて自分へのご褒美にして、純粋にその製品の品質を消費者として楽しんでみても良いと思います。

フェアトレードの認知度が上がると、企業もフェアトレード製品に興味をもち力を入れるようになるので、商品のバリエーションがより充実し、お買い物もより楽しくなると思います。



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世界中でAFRICAが大人気である5つの理由

アフリカ経済は2003年以降の資源ブームから一転、2014年の資源価格下落を受け減速しましたが、2017年以降は再び世界の多くの企業が注目しています。ビジネスだけではなく、旅行、ファッションなど様々な分野でアフリカが注目されていますが、その理由を知っていますか?

アフリカが注目されている理由を理解することで、新しいビジネスチャンスや新たな流行をみつけることができます。

目次
  1. 理由①:豊富な天然資源
  2. 理由②:増加するアフリカ人口
  3. 理由③:物流インフラ改善によるさらなる経済成長の可能性
  4. 理由④:所得水準上昇による新たな市場構築
  5. 理由⑤:インターネット普及による新市場開拓
  6. まとめ

 


理由①:豊富な天然資源

アフリカ大陸には石油や天然ガス、肥料の原料になるリン鉱石、宝飾品などに使う金やダイヤモンドなどのたくさん天然資源があり、その天然資源は私たちの暮らしやものづくりに欠かせないものです。 

資源大陸と呼ばれるアフリカ大陸には、まだ発見されていない資源も多いため、日本だけでなく、中国、ヨーロッパなど多くの国の会社がアフリカで天然資源に関わる仕事をしています。


理由②:増加するアフリカ人口

アフリカの人口は2010年〜2050年の40年間で約2倍になる予想で、その数は約10億人から約22億人になると言われています。そのため、近い将来、世界の人口の4分の1を占しめるアフリカで新しいビジネスを成功させることはビジネスを行う上で大きな成功を収められる可能性があり、世界の主要国が注目しています。 特に、少子高齢化の日本のように、他国の経済の可能性に新たなビジネスの可能性を見出し進出する企業が増えています。


理由③:物流インフラ改善によるさらなる経済成長の可能性

アフリカにはまだ多くの天然資源が残っているにも関わらず、アフリカ諸国の技術や交通網ではその豊かな天然資源を上手にいかすことができていません。

アフリカ大陸は巨大ですが、ほとんどの国の鉄道が未発達であるため、人や物の移動は主に自動車です。しかし、自動車移動に必要な道路ですら適切に舗装されている場所は限られています。そのため、道路や流通網の充実は社会の発展と経済成長のカギを握っており、そこに注目し自国の技術を活かしたい世界の国々がアフリカ物流インフラの改善・構築への投資を行っています。

特に、アフリカには港を持たない内陸国が16カ国もあり、その内陸国は自国の港がないために、単独でアフリカ大陸外の欧米やアジアと貿易することが困難です。 内陸国は自国の豊富な天然資源を輸出する際も、海外の優れた技術や物資を輸入する際も、近くの沿岸国の港と自国までの陸路を利用する必要があり、配送費用が沿岸国に比べに高くなり、内陸国の経済成長にさらなる負荷をかけています。

さらに、アフリカ人口が増加する傾向があるということは、人や物の移動が改善されればされるほど、アフリカ諸国の経済成長を見込むことができるため、さらなるビジネスチャンスを求めて世界の国々が物流インフラ改善に投資をしています。


理由④:所得水準上昇による新たな市場構築

2000年以降、低所得者層・中間層の所得水準が上昇し続けており、アフラシア銀行の「Africa Wealth Report 2018」によると、2024年までに資産1億円以上を有する富裕層は53%増加し、33億円以上を有する超富裕層は59%増加すると予測されており、これは他地域のアジア48%、欧米25%に比べ非常に高い成長率です。

さらに、アフリカ系アメリカ人によるラグジュアリーファッションがファッション市場に大きな影響力を増しているため、2000年以降、特に世界のラグジュアリーファッションがアフリカを新たなファッション市場として注目をしています。


理由⑤:携帯電話普及による新市場開拓

GSMAによると、2014年6月時点で、サブサハラアフリカ地域(46か国)における携帯電話のユニークユーザー数は3億2,900万人で、普及率は38%であったが2020年までにはサブサハラアフリカ地域で携帯電話は5億人(普及率49%)にまで普及すると予想されています。さらに、サブサハラアフリカ地域は平均年齢が10代という国(例:ナイジェリア18.2歳、コンゴ民主共和国17.9歳)が多く、25歳以上の人口に占める割合は30~40%であるため、成人の多くが携帯電話を所有していると考えられています。

携帯電話普及率増加の理由は、①先進国から安価な中古品が大量に流入されたため、②ネットワーク整備にかかる費用が安く、自分で調整ができる(プリペイド式等)、③文字が読めない人でも利用しコミュニケーションをとることが可能(ボイスメッセージなど)があります。

携帯電話やインターネットの普及率が上昇しているということは、新しいビジネスや生活スタイルをより始めやすくなったということでもあるため、アフリカ国内だけではなく世界中の国々から新たな市場として注目されています。


まとめ

アフリカは大小様々な国でできているため、民族や考え方の違いによる争いもまだあり、治安が悪い場所もまだ多く、成長する可能性は大きいですが、その分課題もたくさんあります。

 If you want to go quicklygo aloneIf you want to go fargo together.”

アフリカのことわざにもあるように、アフリカでのビジネス成功の秘訣は「協力し合うこと」です。

アフリカならではの文化的、歴史的背景を反映したビジネスや施策を行うことでより広く浸透しやすくなるので、お互いを尊重しあうことが大切です。

 

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西アフリカデザインのKente布で最新のお洒落を取り込む。

最近、お洒落な家具屋さんや大手ファッションブランド店でもエスニックなデザインの布が施された商品を見るようになりました。その華やかなアフリカをイメージさせるデザインの商品は、日本ではまだ購入できる場所が限られていて難しいのですが、ヨーロッパやアメリカなどでは新しいファッションスタイルとして人気です。

そして重要なのは、Kenteは「今流行りのアフリカ布はアフリカ伝統工芸品ではない驚きの事実」で紹介させていただいたヨーロッパデザインのアフリカ布と異なり、アフリカ発祥の伝統的な織物です。

今回はそのKenteの歴史・織物に込められた素敵なメッセージについても少し紹介します。

目次
  1. Kente とは?西アフリカの織物の歴史
  2. Kente に込められたメッセージ
  3. Kenteを取り入れたお洒落な生活
  4. まとめ

 


Kente とは?西アフリカの織物の歴史

Kente (Ashanti kente)とは、西アフリカ ガーナの伝統的な織物で、男性の伝統的な職業とされています。4種類のパターンを織り出した布をつなぎ合わせて完成した布をサリーのように肩にかけて着ます。 本来は、特別な儀式(葬式、礼拝)や結婚式などのお祝い時に使用されていましたが、最近では洋服などと組み合わせたり、クッションなどのインテリアグッズにも幅広く使用されています。

KENTEの歴史
様々な歴史が伝えられていますが、西アフリカの織物の歴史は非常に長く紀元前3000年からとも言われています。そしてKenteは紀元後300年〜1700年の間にAshanti 王国の人々により、蜘蛛が巣をつくる姿から発想をえて、Bonwireという町から始まりました。Bonwireには現在も多くの織物職人がいます。


Kente に込められたメッセージ

長い歴史のあるKenteはそのデザインパターンが50以上にも及ぶと言われていますが、職人が特別な儀式の際に、新たなデザインを作ることがあるそうなのでパターンの組み合わせはまだまだ増えています。

ちなみに、女性は主に「ピンク、紫、黄、水や白などの明るい色」の組み合わせを、男性は主に「黒、青、オレンジ、赤や緑などの落ち着いた色」の組み合わを使用することが多いそうです。

購入する布の色の組み合わせでどのようなメッセージが込められているかを知ることができます。

意味
代々継承されるもの、強さ、精神成熟の象徴
グレー 癒し、灰の象徴、羞恥心
清純、祭り、浄化、勝利、女神
ロイヤリティー、富、美、子孫繁栄
母なる大地
オレンジ 富、喜び
政治、生贄、受け継がれた血、戦い
ピンク 愛、幸福、温厚
女性らしさ
平和、調査、愛、共存
豊作、新たな収穫、植生、緑
ゴールド ロイヤリティー、富、高位、繁栄
シルバー 喜び、純潔、平和、月

 


Kenteを取り入れたお洒落な生活

Kenteの使い道は様々です。最近では特にインテリアでの利用が多く、クッションカバー、ベッドスロー、ランチョンマットやカバン、またはアートとして壁に飾ることもできます。
Kenteを使用したインテリア等を販売する国内のお店はまだ多くない為、海外発送対応可能なお店でお気に入りのKenteインテリアを探してみてください。 ちなみにこちらのお店「BESPOKE BINNY」はイギリスのお店ですが、Kenteを含めアフリカ布を使用した商品を多く取り揃えておりデザイン性も高いです。日本だとエスニック商品を取り扱うマライカや、最近では楽天、アマゾンでもKente布の販売(織物ではないプリント版も)はあるみたいです。


まとめ

長い歴史のあるKenteにはそれぞれの色に込められたメッセージがあります。 現代ではこのデザインを印刷したアフリカ布が大量生産されているため手軽に安価に手に入れることもできます。

ぴったりなメッセージのKente布があればプレゼントにもなりますし、インテリアとして生活の一部に取り込んでも一味変わった素敵な部屋を作ることができます。 「快適な部屋作りは「より充実した人生」につながる?」も是非参考にしてみてください。

 

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今流行りの「アフリカ布」とは?

最近、華やかなアフリカ布が日本でも流行ってきています。日本でアフリカ布を使った商品を利用する会社はまだまだ小さく少ないので、たとえば百貨店の催し物、ファッション会社等とコラボをするなど、認知度を高めようとがんばっているところがあります。 今回は、その「アフリカ布」についてお話をしたいと思います。

目次
  1. アフリカ布とは?
  2. アフリカ布の主要ブランド一覧
  3. アフリカ布の歴史

 


アフリカ布とは?

アフリカ布とは、一般的に布に色とりどりのデザインを施したもので、African wax print, Dutch print, Ankara wax など、様々名称で親しまれており、アフリカの伝統的な織物や染め物とは別に産業の中で生まれたものです。

通常布は1セット12 yard または半分の6 yardの長さで販売されます。そして、衣類、装飾品、またはお洒落なインテリア等へと幅広く使用されています。


アフリカ布の主要ブランド一覧

  • Vlisco group (Holland): Woodin, Java, Uniwax, GTP など
  • Phoenix Hitarget group(China)

などがありますが、ご覧のように多くがアフリカが生産国ではありません。では、なぜ「アフリカ布」と呼ばれ親しまれているのでしょうか? 


アフリカ布の歴史

Image credit to vlisco

アフリカ布の始まりは、なんとオランダの企業によるインドネシア布(batik)の市場開拓によるものでした。かつてオランダの植民地であったインドネシアには伝統的なBatik 布があり、それをオランダ人は自国で大量生産しインドネシアに売り付けたり、ヨーロッパで販売しようとしました。しかし、後にインドネシアが独立し、さらにBatik布の輸入が禁止されるようになったため、Vlisco社は新たな市場を求め、流通のある西アフリカに開拓を始めたのがきっかけです。

また、もう一説には当時植民地であったインドネシアにいたガーナ人兵がとてもBatic布を気に入ったためとも言われています。

Wikipedia にVlisco社の歴史情報がありますが、日本語で希望のかたは、PAN FABRICさんが、とてもわかりやすくまとめていただいてるので、そちらを是非一読ください。

VLISCO : History of african wax (wiki pedia)

PAN FABRIC : アフリカ生地・布の歴史